落影地区とは
国道18号を飯綱町から信濃町へ向かい、飯綱東高原入口の交差点を過ぎて3kmほど北へ進むと国道の右側に家が沢山並んでいるのが見えてきます。そこが落影(おちかげ)の地区です。
やはりここも、バスに乗っているときに「おちかげ」というアナウンスを聞いたわけですが、名前に特徴があり(「おちかげ」って影が落ちる? 山の陰になったりする? みたいな)記憶に残っています。
落影さんは、国道と距離を取っている?
ところで、子供の頃バスからこの落影集落を見て気になったのが、その位置です。集落は国道の近くにあるのですが、そこまで近くはなく、なんだか国道から少し距離を置いているような印象を受けました。
実際国道を走っていると、国道沿いに点々とお店等があるのに、落影の辺に来ると急に道沿いに建物がなくなります。国道18号がこの地域のメインの道路交通ですし、普通に国道沿いに集落を展開した方が便利だと思いませんか? 少なくとも私はこの前を通るたびにいつもそう思っていました。

(注:以下、画像の配置の都合上、航空写真は東が上になるような向きになっています)

落影集落から先に進んでいってもそこには山があるだけです。

意外と今の地図でもわかる?
それでは謎を解いていってみましょう。前回「七曲バス停」に関して調べたときは古い航空写真を見てみるのが過去の状態を知るのに役立ちました。では今回も〇〇の一つ覚えというやつで… と思いきや、実は今回は今の地図(Googleマップ等)でも意外とわかったりします。今まで写真だけをお見せしましたが、地図情報を追加すると以下のようになります:

実は「落影の先に行っても山に突き当たるだけじゃん」と思っていた道路には「旧北国街道」と書いてあり、その後も山の中に続いているのでした。「街道」とは昔の主要な道のことです。さらに広範囲で見てみると

旧北国街道は山を越え、最終的には国道18号とはだいぶ違うルートで小玉集落にまでたどりつくのでした。単純な距離で言ったら国道18号を回るのよりもだいぶ短いですよね。とはいえ現状はただの山道で、普通の地図にはちゃんとは書いてありません(その点Googleマップは今はほぼ使われていないような道でもこのようにちゃんと表示してくることがあります)。
古い地図でも確認してみる
では以下、昭和6年(1933年)の地図で確認してみましょう(注:これは通常通り北が上になっています)

落影は堂々のメインストリートであったことが地図からよくわかります(注: 昔の地図の凡例では「太く描かれた道」=「主要な道」の意味で、実際の道幅が広かったかどうかとは関係がありません)。昭和6年ではまだ現在の国道18号の、小玉から西へ進み古町の辺でカーブする道筋はありませんでした。
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