普通に本屋に並んでいる書籍の出版社って
ふと考えてみると、普通の書店で売られている本や雑誌って、基本的には東京に本社があるような出版社が出している、日本全国を対象としたものがほとんどですよね? 出版社だけでなく、そこに書かれている内容も、基本的には日本全国共通の内容、あるいは特定の地域とは関係ない内容を扱ったものといいますか。
一方で、長野県の話題だとか、さらにはもっと小さい長野県の特定の地域の話題のような、相対的に狭い地域に関する話題を対象にした書籍も、上で述べたような全国レベルの書籍に比べたらはるかに量は少ないものの、本屋や図書館では扱われています。
確かに、本の内容が特定の狭い地域に関するものだったりすると「地元の人しかこういう内容には興味を持たないだろうな」とは思います。ということは逆にその本を全国的に販売しても難しいということになります。
そういう本を手にして本の出版社を確認してみると、地方にある出版社だったりします。やはり、本の内容や地域に応じた出版社があるということですね。
ほおずき書籍とは
個人的に、そういった長野県に関する本をある程度購入していまして、それらの本を見ると「ほおずき書籍」のものがちらほらあります。
その中には飯綱町に関する本もありまして、それは以下のようなものです:


飯綱町の方ならご説明不要だと思いますが、飯綱町の広報誌で連載されている「まんが飯綱今昔物語」を単行本化したものですね。
ちなみに、本の出版社の名前が「ほおずき書籍」と記載されている場合と「鬼灯書籍」(はい、「ほおずき」の漢字は「鬼灯」なんですね)と記載されている場合がありますが、なんとなく「ほおずき書籍」の表記が個人的に好みなので、これで行きたいとと思います。
長野県は出版王国であると言われる
そのような指摘をときどき目にします。どの程度有効な評価なのかは存じ上げませんが、実際に以下のような出版に関する項目はある程度は事実であるようです。
- 全国的な大きな出版社の中に、長野県出身の出版社の創業者が少なくない(例:岩波書店、みすず書房、筑摩書房、理論社、etc.)
- 長野県内にも、小規模な出版・印刷系の会社が数多く存在している
- 長野県の本屋では、他県に比べて地元のことを扱った書籍のコーナーが充実している
ほおずき書籍のような会社もこれを支えてきた一つと言えるのではないでしょうか。
ほおずき書籍さんに異変が?
ふと、このようなニュース記事が目に入りました
負債は約2億3000万円 長野市の出版社が自己破産を申請 出版不況やペーパーレス化の進行のあおりを受け
TBS NEWS DIG より引用
長野市の鬼灯(ほおずき)書籍が(2026年)1月20日に事業を停止し、29日付で長野地裁に自己破産を申請しました。
… このようなことになっているとは存じ上げませんでした。
かつてのほおずき書籍のホームページ
ホームページは hoozuki.co.jp でしたが、現在はアクセス不可能になっているようです。重ね重ね残念です。
かつてのホームページはこんな感じでした(アーカイブより引用)

2023年に発行された「まんが飯綱今昔物語〈伝説編〉」が表示されていました。
というわけで
ほおずき書籍で出版した「まんが飯綱今昔物語」、他の出版社に引き継がれて今後も販売が継続されるのか、これにて絶版となるのでしょうか…
全国版の書籍ではカバーできないジャンル
冒頭でも書きましたが、
日本全国で出版する書籍となれば、おそらく日本の広範囲の方が興味を持つ内容について取り上げ、同時に本の発行部数も大きなものになるのでしょう。
となれば、例えば長野県の一地方に関する話題を扱う本などはその条件に該当しないですから、そのような大手の出版社では対応しないことになり、より小規模な出版社が扱う形になるのでしょう。
さらに、その出版社が話題とする地域にあれば、本の編集などもしやすいでしょう。
そうやってほおずき書籍さんなどの出版社が、長野県内の地域に関する本などをこれまで刊行されてきたのではないでしょうか。
地域の歴史・情報などが本としてまとまっているのはいいですよね。プロの編集者が責任を持ってまとめた本は情報も確かですし、本の形で過去の情報が保存されることにも繋がります。
飯綱町のような、全国規模で見たら小さい市町村でも、それに関する書籍が発行され、残されていくのは貴重な機会だと思います。こうやってその機会が徐々に失われていくとしたら残念です。
「多様性の世の中」とはいいますが
現在、なんとなくですが、昔よりは人々が自分の住んでいる地域以外のことに興味を持つような傾向が広がっている印象が個人的にはあります。たとえば地方の独特の文化を取り上げたTV番組だとかYouTubeチャンネルなどがあって、それなりに視聴者数を得ているようであります。
まあ、情報化の時代(もはや手垢のついた言葉ですね)がかなり進展し、人々がより違った、あるいは濃い情報を欲しているみたいな感じですかね。
とすると、もしかして小さい地域の情報を扱ったような本なども昔よりは受け入れられる素地はあるのかもしれません。
一方で、人気が出るには人の好奇心を引くような話題がないと駄目な感じもあり、本の内容に価値はあっても一般的な興味をひかないような内容の書籍は、商業的には厳しそうな感じもします。
とにかく、長野県の地域の話題などを扱っていただいていたほおずき書籍さんは業務を停止されてしまいました。これは厳しい事実です。
本来ならばいろんな分野を対象とするいろんな規模の出版社が存続して欲しいものですが、ほおずき書籍さんのような出版社が存続できなくなることは非常に残念です。



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